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第9回 ムクドリ

(2017.09.11)
東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第9回目の“ゲスト”はムクドリです。
ムクドリ
標準和名:ムクドリ
学名:Sturnus cineraceus
英名:White-cheeked Starling
全長:約24cm
 
ムクドリは雌雄でほとんど同じような色模様です。
鳴き声は僕には「チュリチュリ」と聴こえ、
警戒した時には「ジェー ジェーッ」と濁ります。
 
畑地や公園の芝生など比較的開けた場所で、草の種や虫を食べているところや、
木の実をついばむ場面をよく見かけます。
ムクノキの実を好んで食べるので、
ムクドリという名前がついたとされていますが、
実際のところはどうなのでしょう?
 
ムクドリ
 
僕が鳥の勉強を始めたころ、感じたのは「ムクドリは思っていたよりでかい!」でした。
双眼鏡で観察してみるとスズメより二回り以上大きくて驚き、
オレンジ色の綺麗な嘴や目の周りの、白黒の美しい縞模様に見惚れました。
 
そんなムクドリが、いま巷では奇異の目を向けられています。
駅前の植栽樹木などに多数の群れが塒(ねぐら)を作り、
生きものに興味のない人たちが「気持ち悪い」「異常繁殖だ」「糞害だ」と
煙たがっています。ネットで”ムクドリ”と検索すれば
「対策」「撃退」といった言葉が上位に出てきます。
 
ムクドリ
 
今になってムクドリが急に増えたわけではありません。
かつて人目につかないような場所にたくさん塒を作れる木々があったはずです。
ところが都市部にあってはそんな場所が減ってしまい、
「ここなら」と塒を作ると、そこは目立つ場所だったということだと思います。
 
人の生活や衛生面ももちろん大切だと分かっていますが、
少しでも周りにいる生きものにも目を向け、心を寄せてくれると嬉しいなぁと、
ムクドリを見ているとそんな思いがします。
 
ムクドリ
 

 

文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志、橋本康平

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