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第21回 オナガガモ



(2019.1.7)

東京都で見られる野鳥を、主に写真で紹介するコラム「東京“鳥”散歩」。
第21回目の“ゲスト”は、オナガガモです。

オナガガモ
標準和名:オナガガモ
学名:Anas acuta
英名:Pintail(Northern Pintail)
体長:オス75cm程度 メス53cm程度

 
2018年は冬の到来が遅く、冬鳥の飛来も遅く感じましたが、
やっと各所で出会えるようになりました。
冬鳥とは日本より北の地で繁殖をし、日本で冬越しをする鳥のことです。
カモ類は比較的じっくりと観察できるので、
冬鳥の入門にカモの仲間はおすすめです。
 
僕が冬鳥の勉強を始めたのは、
上野の不忍池と皇居外苑濠、そして葛西臨海公園でのカモの仲間でした。
今回ご紹介するのは冬鳥のカモの中でも、比較的よく見かけることができて、
見分けやすいオナガガモです。
 

オナガガモ

 
名前の尾長(おなが)は特にオスの中央尾羽が
長く尖っていることに由来しますが、
メスも他の種よりは長いように感じられます。
オスはチョコレート色をした頭部で
白い胸から後頭部にかけて立ち上がるように白線模様が入ります。
腹部は黒に白い縁取りのある細かい羽模様で、背面は灰褐色です。
対してメスは一様に褐色で、
よく観察すると、淡褐色に黒褐色の斑点が混じることで褐色に見えています。
胸から腹部、背面も一様に褐色で、
クリーム色の縁取りがある褐色の羽模様が連なります。
 

オナガガモ

 
前述したように比較的よく見かけるカモで、
自然度の低い、時にはコンクリートで覆われているような
都市部の池にも顔を出すことがあります。
これはオナガガモが餌付けされやすいカモであることと
関係があるように見受けられます。
 
オナガガモが多数見られるような場所では餌付け、餌やりをしている光景を
よく見かけますし、人が近づいても逃げないどころか
顔を上げて近づいてくる個体も少なくありません。
 
餌付け、餌やりの問題点については様々なところで提起、議論されていますが、
普段、環境教育の現場にいることが多い僕としては、
野生動物との距離感のとりかたやつきあい方を学ぶ上で、
人が過度に、そして個体に積極的に関わる餌付け、餌やりは
好ましくないと考えています。
中には野鳥撮影の方が近くで綺麗に野鳥を撮影するために
餌付けしている現場を見かけることもあり非常に残念です。
 
この記事を「餌付けや餌やりはダメなんだ」ではなく、
「餌付けや餌やりは悪いことなのかな?」
「餌付けや餌やりに何か問題はないのかな?」
「問題になるとしたらどんな問題があるのかな?」
など、考えたり学んだりするきっかけにしていただけたら幸いです。
 

オナガガモ

 

 

文&監修:三森典彰
*写真:三森典彰、山崎高志

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